
適当な鑑定
やっぴー^^
少し大きめのボリュームにしたテレビから
深夜のバラエティ番組の司会者の聞きなれた声が聞こえてくる。
「2人とも俺がしゃべらない代わりになにかしゃべってくれ~ 旨い!テーレッテレー」
この司会者、相変わらず面白いなぁ・・・店主は司会者のファンだった。
ガラガラ・・・珍しくお客さんが入ってきた。いいところだったが仕事優先である。
「この品物なのですが、どのくらいの価値があるか鑑定してほしいのですがお願いできますか?」
一見なんの価値もないようなロープだった。鑑定をしているともう1人お客さんが入ってきた。
「いらっしゃい、ちょっとまって下さいね」
店主はちょっと困ってしまった。これは・・・わからないなぁ・・・たぶん道具屋に売っているものと
同じだと思うけど・・・適当に言ってしまおう。
けして、早くテレビをみたいとか、そういう理由ではない。仕事第一なのです。
「これはどこにでもあるロープですね、リスバザーとかでは安くで売ってますよ」
いつものように自信たっぷりに少し大きめの声で言った。お客さんは自信ありげに言われると
信用してしまうのでした。
しかし、不幸な事に今日は事情が違った。順番待ちのお客さんは実は有名な鑑定家の方でした。
「これはレアってほどでもないですが、特注曳航補助ロープは価値はありますよ」
後ろから小さい声が聞こえた。
店主は顔を見てはっとした。「あなたは・・・レアハントで有名な ここをふぉるかさん!」
店主の顔がみるみる青ざめていく・・・もうこの仕事はできない・・・
信用第一の仕事なので一度信用をなくすと誰も店には来てくれないのでした。
しかたない、閉店して今までやっていた 卵屋に専念するか・・・
彼は再起を誓ったのでした。
注意 ロイヤルガードではみんな適当に安いですよとか道具屋に売ってますとか言いますので気をつけて下さい。